『絶体絶命都市4 Plus』ただのゲームではない!消防署が認めた防犯マニュアル
災害は、突然やってきます。
とあるゲームタイトルの中に、ゲームという遊びを通して、「防犯」を知ってもらいたいという強い思いの元に作られたものがありました。
しかしそれは、東日本大震災という災害が起きた時に、不謹慎という言葉で、日の目を浴びることなく発売が中止になりました。
それが『絶体絶命都市4』です。
延期ではなく中止です。
時代は流れ、2011年から7年が経ち、奇跡とも言える出来事が1つありました。
それは、『絶体絶命都市4』が『絶体絶命都市4 Plus』として生まれ変わって、発売されることです!
不謹慎と言われていた「絶体絶命都市」が、神戸市消防局が協力することを発表したことにより、ようやく世の中に認められた瞬間でした。
長かった・・・本当に・・・。
心から、『絶体絶命都市』の開発スタッフの努力と、訴えかけていたメッセージが、世の中に認められて良かったと思ったTAIYOです。
今回は、防犯マニュアルとして認められた『絶体絶命都市』というゲームが、どのようなものか紹介します。
絶体絶命都市とは?
「絶体絶命都市」は、知恵と勇気と思いやりを駆使して、都市災害による極限状態からの脱出を目指す、サバイバル・アクションゲームです。
シリーズ初の舞台となったのは、大地震で崩壊した人工島。
2作目では大洪水に見舞われた地下都市、3作目は大地震で崩壊した島が再び舞台となりました。
本シリーズは、選択肢や行動によって結末が変わる特徴をもっています。
また、もう1つの特徴として、次々と地震で崩れていく建物や街を、道具などを駆使して、探索しながらゲームを進行していくことが挙げられます。
災害の中で、どのように行動すれば生き延びることができるのかが、ゲーム内で体験することができます。
タイトル | 発売日 | |
---|---|---|
1作目 | 絶体絶命都市 | 2002年4月25日 |
2作目 | 絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち- | 2006年3月30日 |
3作目 | 絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌- | 2009年4月23日 |
発売中止になった絶体絶命都市4
2011年3月14日、アイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社は、公式サイトで「絶体絶命都市4」の発売中止を発表しました。
発売中止の理由は記載されていませんが、恐らく2011年3月11日に起きた東日本大震災に配慮したものと思われます。
さらに、過去シリーズ1~3のすべての生産予定が無くなり、「絶対絶命都市」全シリーズが事実上の生産終了となりました・・・。
いつ頃閉鎖されたか不明ですが、『絶体絶命都市』の全サイトが削除され、閲覧不可にもなりました。
奇跡の復活劇!
もう発売はないのではないかと、誰もが思っていました。
しかし、『絶体絶命都市4』が中止された後、本シリーズを手掛けた「九条一馬」氏らがアイレムを退社し、新たな会社「グランゼーラ」を設立。
その後、グランゼーラが『絶体絶命都市』の版権をアイレムから取得。
これにより、事実上アイレムでの『絶体絶命都市』の発売はなくなりましたが、新会社「グランゼーラ」での発売の可能性は生まれました。
そして、『絶体絶命都市4』は『絶体絶命都市4 Plus』として生まれ変わり、発売されることが決定されることとなりました。
また、今後、グランゼーラが『絶体絶命都市』のシリーズ開発を行うことも可能となりました。
グランゼーラの九条一馬氏は「時間がどれほどかかっても粘り強く、決して諦めずに進めてまいります」と発言したとのことです。
消防局が認めた!防犯マニュアルとしての役割
<神戸市消防局からのコメント>
災害をテーマにした『絶体絶命都市』シリーズへの協力は、消防局から市民に向けて防火・防災情報を効果的に発信できる大きな広報チャンスだと考えています。
神戸市消防局は『絶体絶命都市』シリーズの根強い人気を以前から把握しており、今回は消防局側から直接グランゼーラ様に対して協力を打診し、このたびのコラボが実現した次第です。
本作を通じて、一人でも多くの方に防火・防災情報をお伝えすることができれば幸いです。
広報担当 消防司令補 高岡武志
これを見た筆者は、ゲームの存在が変わった瞬間だと思いました。
『絶体絶命都市』が、防犯マニュアルとして認められたということは、世間から認められたことにもなります。
防犯マニュアルを文字で読むよりは、ゲームとして実際に遊んだほうが、イメージしやすいと思います。
もちろん、防犯マニュアルは重要ですが、映像として実際自分の手で動かして頭で考えて判断するというのがゲームなので、記憶に残りやすいのだと思います。
実際に『絶体絶命都市』をプレイした人の言葉があります。
夜中の地震で停電になって、取り敢えず暗闇の中を学校まで避難しようとしてた時に頭の中にあったイメージは「絶体絶命都市」でした。あのゲームの経験がなかったら、自転車用のライト外して胸元に下げて照明を固定したり、妻のバッグに後方用の赤点滅を括りつけたりはしなかった。
— モモちん (@r2o2k) 2016年4月28日
このように、『絶体絶命都市』の経験が活かされてたことで、正しい判断ができた人がいました。
ゲーム業界からの義援金寄付内容
ゲーム業界の支援に関しては、ほとんどテレビでの報道がされていませんでしたが、東日本大震災の際には、ゲーム業界も支援活動を行いました。
ここでは、東日本大震災での被災地・被災者に対して、義援金を寄付したゲーム会社と、その内容の一部を載せます。
5pb
iPhoneゲーム、メモリーズオフ6の値下げ、2200円だったものが350円に。売り上げは全額寄付。
アークシステムワークス
チャリティーTシャツを販売。Tシャツ1枚の売り上げ代金2,500円に、同社の寄付金2,500円を加算した合計5,000円×Tシャツの売上枚数を、義援金として日本赤十字社を通じて寄付。
カプコン
義援金として1億円を寄付。iPhone版「ストリートファイターⅣ」を全世界で0.99米ドル(日本では115円)にて3月22日まで配信し、その売り上げの全額を寄付。
コーエーテクモホールディングス
グループからの1,000万円と社員からの募金を義援金として寄付。
スクウェア・エニックス
義援金として、1億円と全世界のグループ会社の従業員からの募金を日本赤十字社を通じて寄付。同社グループ会社のオンライン・サービス、およびアミューズメント施設を通じた義援金募集・寄付を実施。
セガ(現:セガゲームス)
アミューズメント施設、および屋内テーマパーク全店舗における売り上げの一部を義援金として寄付。
ソニー
ソニーグループからの義援金として3億円を寄付。全世界のソニーグループ従業員より災害募金を募り、その同額を同社からも拠出するマッチングギフトを実施。ラジオ30,000台を寄贈。
日本マイクロソフト
日本マイクロソフトの社員から支援金を募り、その総額に同社が上乗せするマッチングギフトを実施。社員からの募金は、被災地にて支援活動を展開しているNGOに全額寄付。
任天堂
義援金として3億円を寄付。
バンダイナムコホールディングス
義援金として1億円を寄付。グループ社員からの募金を送付。
レベルファイブ
義援金として1,000万円を寄付。モバイル用サイト「イナズマイレブン モバイル」内でチャリティーコンテンツを配信。「イナズマイレブン災害支援募金」として、チャリティーコンテンツの売り上げ金額の全額を寄付。
まとめ
日本では、ゲームが世間一般に、まだまだ良い評価が少ないのが現状です。
しかし、現実にゲーム会社がどのような活動をしているのかを、筆者は1人でも多くの人に知ってもらいたいと思い、今回このような記事を書かせていただきました。
今後も様々な場面で、ゲームが生活の役に立つ存在になってほしいと思ってます。
タイトル | 絶体絶命都市4Plus -Summer Memories- |
---|---|
対応機種 | PlayStation4 |
対応周辺機器 | PlayStationVR |
ジャンル | サバイバル・アクションアドベンチャー |
監修 | 防災・危機管理ジャーナリスト:渡辺 実 |
協力 | 神戸市消防局 |
発売日 | 2018年未定 |
価格 | 未定 |
プレイ人数 | 1人 |
CERO | 審査予定 |
公式サイト:絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-
生後3カ月からゲームに目覚めた生粋のゲーマーです!
ジャンルは幅広く遊んでいるので浅く広くという感じです。
楽しく熱意の伝わるゲーム記事を書いていきたいと思います!
ディスカッション
コメント一覧
今回の記事で自分が知っている以上に多くの会社が支援をしている事を初めて知りました。
絶体絶命都市に関しても、TVゲームも「遊び」という側面だけ取り上げられがちだけど、「普段できない体験が出来る」コンテンツという長所がすごく評価されて嬉しい。開発に関わった人達の執念も感じられて、発売という形で報われて良かった。
コメントありがとうございます!
この記事を読んで、「初めて知ってもらえること」があったこと、とても嬉しく思います。
今後、様々なメディアがもっと正しい形で、「ゲーム」のことを広げてほしいと思っていますし、
我々ゲームホリックが全力で今後も伝えていこうと思っております!
絶対絶命都市の復活も嬉しいですが
消防局の方から協力の申し出があった事は
ゲーム業界全体にとっても新たな一歩に感じますね!
コメントありがとうございます!
「ゲーム業界全体にとっても新たな一歩」というのは、本当に嬉しいですね。
「ゲーム」に対して、もっと正しい評価をして欲しいと思っています。