スマホゲーム開発の現役プロデューサーが語る、プランナー・ディレクターのお仕事

ゲームプランナー

どうもソシャゲプロデューサーをやっているゲーム屋タカシです。

皆さんはゲーム業界で働きたいと思った事はありますか?

『ゲーム業界で働きたい』そう思う人の大部分が憧れる職業といえばゲームプランナーやゲームディレクターじゃないでしょうか。

一般的なイメージだといわゆるゲームデザイナー。

そのゲーム性や世界観といった核となる部分を司る人。

今回は私がスマートフォン・PC向けゲームプランナー兼ディレクター時代の話を通して、その仕事内容を伝えてみたいと思います。

そもそもプランナーやディレクターって何?

ゲームデザイナー
ゲームの設計をする人でゲームデザイナーとも言われる職業で
他にもプロデューサーも注目されることが多いですよね。

この3つはざっくり表すと…

1.プロデューサー

チームに関わる人員、お金を管理し、ゲームタイトルをビジネスとして最大化することを目的とする。ゲームタイトルの企画的な案件を主に受け持つことが多い。
組織によってまちまちだが、ディレクターとコンビ(同格)のパターンと、プロデューサーが上になるパターンがある。お金を見る人。

業務内容例

  • メンバーの補充・削減の判断、他社とのコラボを決めてくる。
  • 中長期的なゲームの目標・施策・方針を決める。

2.ディレクター

実際の制作・運用を総指揮するポジション。
映画プロデューサーと映画監督、ゲーム業界ではプロデューサーとディレクターという関係にあたります。

プロデューサーがマーケティングな側面や、各数値の動きを見て「次の半年間は世界観を押し出していこう」と方針を決めたならば、ディレクターはそれらを具体的にどういう形で実現するのか、ユーザーが一番喜ぶ形は何なのかと考えて、おおまかな仕様を決める人です。

業務内容例

  • 月間スケジュールを半年先まで作成、各担当者と工数確認、開発スケジュールを組む
  • プランナーが作成した仕様書のチェック、最終的な制作物のクオリティチェック
  • 障害や不具合の発生時、対応方針を決めて、調査や補填の動きを取りまとめる

3.プランナー

ゲーム作りにおいて、プログラマーやデザイナーが関わらない全てのものに関わる職種です。
ディレクターから渡されたざっくりとした仕様を矛盾のないように、実装できる仕様に仕上げます。

それらを元にプログラマーへ開発の依頼、デザイナーへイラストや素材の依頼、シナリオライターや声優事務所、他の協力企業などにも連携が発生します。

会社によってはプランナーとは別にレベルデザイナーやスクリプターといった職種を設けることもありますが、これら全てを担うこともあります。

というわけで、そのような場合は下記2つの職種となります。

4.レベルデザイナー

ゲームのレベルデザインと呼ばれる部分を担当し、マップの構成や敵ユニットの配置、編成、ユニットのパラメータ調整など、ゲームの難易度に関わる仕事となります。

5.スクリプター

仕様書を元に、実際にゲームが動くようにデータを入力していく仕事です。形式は様々ですが、プログラミングの知識が深くなくとも動かせます。

業務内容例

  • イベントやガチャの各種仕様作成から他担当者への発注
  • 仕様書からのデータ作成、実装、デバッガーへの検証依頼

これらはあくまで私が経験した内容を元に書いていますが、会社によって担う業務は異なるので、かぴぱらくださんの記事も参考してみると良いと思います。
東京のゲーム開発会社で5年ほど働いた私が話す「ゲーム業界」のリアルな雰囲気と仕事内容

どうやってプランナーやディレクターになったの?

どうやってプランナーやディレクターに
基本的にはディレクターは現場を数年経験したプランナーやプログラマー、デザイナー各職種がステップアップして務めるものです。

現場監督である職業ですから
いきなりディレクター!ってのはなかなかありません。

プランナーに関しては、未経験・新卒でも採用されることはあります。
特に新卒採用の方が期待値が高く、将来的にプロデューサーやディレクターを務めてもらうために採用される割合が多く感じます。

かといって中途だったらなれないのかといえば、そうとも限りません。
中途で未経験でもプランナー採用をすることはあります。

他にも既に働いてくれている他職種のメンバーに適正があれば、
本人に意思確認をして、プランナーへ転向してもらうこともあります。

やはり、すでにチームの中で働いてるメンバーを起用することは安心して任せられるので、組織としても安定します。

私の場合はイレギュラーな方法でプランナーになりました

私がデバッグチームからCSチームへ異動して、1年半ほど経った頃、会社の体制変更に伴い、その時所属していたCSチームが、別の新しく設立された会社にまるごと移籍することになりました。

CSチームの前に働いていたゲーム事業部はゲーム会社として継続し、CSチームが移籍する会社はゲーム以外の事業にトライするとのこと。

それによりCSチームの人達は、新しい会社に転籍をするため転籍同意書にサインする必要がありました。

かねてよりプランナーに転向を希望していた私はあれ?これって同意しなきゃ今の会社(ゲーム事業だけの会社)に残って、CS以外の仕事にチャレンジ出来るんじゃね?
と思ったのです。

早速、上司に転籍に同意しない旨を伝えた所

「君はそうすると思ったよ(笑) 」

とのお言葉を頂き、私の知る限り、私だけが転籍をせずにゲーム事業部へ。

当時、アルバイトだった私の契約期間はまだ残っていたため、会社側も仕事を与えなくてはなりません。

その結果、とあるRTSゲームタイトルの運営プランナー兼ディレクターを未経験ながらも任せられることになったのでした。

こうして、私自身デバッガー、CSを経てプランナーになりました。

興味がある方はゲーム関連の求人を見てみると良いかと思います。

プランナー・ディレクターで苦労した話

苦労した話
苦労した話は数限りありません。

なんなら一番苦労するのがプランナーであり、ディレクターであるとも私は思います。

特に未経験で放り込まれた僕は何より知識不足でした。

私が入ったチームは

  • プロデューサー1名
  • ディレクター兼プランナー1名
  • デバッガー3名
  • プログラマー3名
  • デザイナー2名

の小さなチームでした。

全てを「決定」しなければならない

仕様を決定・確定させるのがプランナーです。

いきなり参加したゲームタイトルであろうとも、そのゲームをろくにプレイしたことがなかろうとも、仕様を決め、データを打ち、実装する。

それが仕事です。

しかし、これに最初から不安を覚えない人はいないと思います。

私も不安で、「これで大丈夫ですか?」「間違ってないですか?」と聞いて回りました。

しかし、返ってくる言葉はこうでした。
「それを決めるのがあなたの仕事です。」

いきなり入った新人がディレクターとしてチームを指揮するのが気に食わない人もいるでしょう。

そういった部分もあったのかも知れませんが、確かに仕様を「決める」のが私の仕事です。

この「決める」という自分で判断を下す行為はプランナーとしてこれから何度も経験していくことになるのですが、今まで大きな裁量を渡されて働いたことのなかった自分にはとても苦労したのを覚えています。

力不足でもチームを引っ張らねばならない

新人でも未経験でもディレクターを任せられたからには、ディレクションをしなければなりません。

デザイナーが納品してきた素材のチェックに始まり、デバッグの進捗確認や関係各所への連絡・連携。

コラボ期間は特に他社とのやり取りも増えます。他にもCSからの仕様質問や方針確認に対しての回答、プロデューサーへの各数字周りの報告など。

分からない事だらけでも、自分がやらないと誰もやってくれない。やらざるを得ない。しかし分からないからこそのミスだらけでかなり苦労しました。

このチームを回すという作業は本当に現場を経験しているプランナーじゃないと無理だなと今は思います。

よくアルバイトの新人にさせたなぁと(笑)

結局、最後までここに苦労して、鬱病になってしまったのも今では懐かしい話です。

やっててよかった話

やっててよかった話
確かに苦労は多かったのですが、後ろ向きなことばかりでもなく、やはりある程度自分でしっかりコントロール出来るようになると、色々なチャレンジが出来て面白いのがプランナーやディレクターの仕事だと思います。

新ユニットや新スキルの実装

良いのか悪いのか分かりませんが、細かなレベルデザインがまだ出来なかった頃に私が設計した新ユニットがユーザーにとてもウケました。

いわゆる壊れスキルとも言えるスキルを持ったそのユニットは、しばらくWikiや掲示板でユーザーの話題となり、そのユニットを入手するために積極的にイベントを走ったりガチャを回してくれたことがとても嬉しい経験でした。

新イベントの開発

逆にそのゲームを知らないからこそ、新しい視点での新イベントを企画し、プログラマーやデザイナーと連携して実装。

新たな遊び方を提供出来たことがユーザーからも好評で、ゲーム全体が活性化する様子はプロデューサーとなった今もこれ以上嬉しいものはないです。

転職して今の会社でプロデューサーになった際も、実はこの当時の新イベントを踏襲して、実装。こちらでもユーザーから好評を得ています。

まとめ

これまでの話を見て、どうだったでしょうか。

苦労話の方がボリュームが多いのですが、だからこそやりきった時の達成感や、ユーザーからの好評の声はとても嬉しいものです。

苦労も多いですが、感動も一際です。

それが企画職であるプランナーやディレクターの醍醐味と言えます。

自分で「決める」ことのプレッシャーを乗り越えて、ユーザーに価値のあるものを届けられた時、プランナーとしての楽しさを知ることが出来ると思います。

ゲームデバッグのアルバイトからキャリアをスタートし、CS、プランナー、ディレクター、プロデューサーを経験。現在はスマホゲームのプロデューサーをやっています。
ゲーム屋としての酸いも甘いも語ります。

2018年7月9日ゲーム業界・仕事