スマホゲーム開発の現役プロデューサーが語る、ゲーム業界で働く事になった経緯

スマホゲーム
ゲームが好きだ!ゲーム業界で働いてみたい!

子供の頃からゲームが好きな人は、誰しもそう思う時代があったと思います。

この記事を見ているあなたは少なからず、今もゲーム業界に興味をお持ちではないでしょうか。

現在、スマホゲームのプロデューサーをしている私が7年前、ゲーム業界へ入った頃の話を通してゲーム業界について、色々な話を伝えたいと思います。

私がゲーム業界で働くことになっワケ

ゲーム業界
2011年、海外で話題だったPC向けの某大型MMORPGが日本でも運営されるということで、運営メンバーのアルバイト採用が行われました。

当時、20代後半で派遣の仕事を辞めて無職だった私はその求人をフリーペーパーで見かけ、少年時代の夢だったゲーム業界への挑戦に興味を持ち、早速応募しました。

履歴書1枚を提出したところ連絡があり、面接のためとあるホテルへ向かいました。

大規模採用ということで、5人ずつの集団面接。

3人の面接官に対し、次々とゲーム好きな同志の面接が進みます。

最後に回ってきた自分の番…

MMORPGをやったことが無いどころか、ネットゲームさえやったことのないワンダースワン信者だった私は…

何故か海外の映画・音楽について面接官の一人と盛り上がりました(笑)

ゲームの話を一切しなかったことを後悔したものの、結果は合格。

配属された先は、その面接官が所属するデバッグチームで、彼の部下としてゲーム業界でのキャリアをスタートさせました。

ゲームの経験が浅い私が採用された理由

ゲーム業界
数年後に何故、私が採用されたのか当時面接官だった上司に尋ねたところ、

「趣味が合ったし一緒に仕事がしたいと思ったから、面接後に他の面接官に”ウチで彼貰います”ってすぐ伝えたよ」

そう当時の話を聞きました。

ゲームに詳しいか、ゲームが大好きか、といった点以外でも評価される事があるんです。

面接官は一緒に仕事がしたいと思ってもらえるかを重要視していたのです。

現在プロデューサーとして面接を担当している私も、この「一緒に働きたい」と思えるかどうかという感情を第一に面接しています。

デバッガーってどういう仕事をするの?

デバッガー
私が就職した頃、5か月後にサービス開始が予定されているタイトルがありました。

そのため、研修もそこそこに、デバッガーとしての業務(デバッグ)に取り掛かることになりました。

デバッグとは検証業務のことで、テストプレイをして、そのゲームに何かしらの問題(バグなど)が無いかをチェックする仕事です。

仕様書を元に作られたテストケース(項目書やチェックシートとも呼ばれる)を実際にプレイして確認していくのですが、具体的にはこんな感じです。

  • 仕様書通りの挙動か
  • ゲームバランスに問題がないか
  • テキストに表記崩れや誤字、脱字がないか
  • 当たり判定(コリジョン)は正常か

などなど

比較的地味な作業ではあったものの、私が所属していたデバッグチームではイベントアイテムのネーミングをデバッグチームが担当していたので、

実施されるイベントの世界観に合わせ、一番カッコいいアイテム名を皆で決めたりして楽しくやっていました。

デバック業務で苦労した事

苦労
ゲームの開発工程の最終ラインであるデバッグではもちろん苦労する事もあります。

「仕様書が無い」案件も…

これは業界の人であれば、あるあると思って頂けるでしょうし、この言葉の意味がどのような苦労を生み出すのかも察しが付くと思います(笑)

私が経験したもので言うと…例えば、とあるアイテムがあり、ゲーム内の説明文には「武器の素材を入れると30%の確率で数を増やしてくれる」とあります。

しかし、仕様書が無いのでどう動くのが正常なのか分かりません。

ひたすら素材を投入しては確率が正しいのか、素材の数がどのように増えるのか、演出はどう変化するのかをテストプレイし、メモします。

かなりの時間をかけて全てのパターンを検証した結果…

30%の確率で素材の数が倍になるが、3回連続で失敗するとアイテムは消失。
また5%の確率で大成功が起こり、獲得できる素材の数が5倍になる。

といった仕様であることが明らかになりました。

その結果、ユーザーに伝わる説明文が嘘にならないように、実際の挙動をベースに説明文も書き換えました。

仕様書があれば、検証にかかる時間もある程度見積もることが出来ますし、全パターンの検証までしない事もあります。

しかし、仕様書がないものを要求は出来ないので、たまにこういった案件が下りてくるのです…。

デバッガーって地味な仕事?

デバッガー
エンジニア(プログラマ)、グラフィックデザイナー、イラストレーター、プランナー等の職種に比べて、デバッカーは地味で目立たない職種と思われがちです。

しかし、現在プロデューサーをしている私でも未だにデバッグをやります。

将来、プランナー・ディレクター・プロデューサーを目指すなら、絶対にやっておいて損はないものです。

地道な作業をしっかりと出来る人間はどんな業界でも信頼されますし、信頼されないと大事な仕事は渡されません。

そして、ゲームの仕様を設計するプランナー・ディレクターの次に、ゲームの仕様に詳しいのは実際に検証するデバッガーです。

場合によっては横断的に色んなテストをしているデバッガーの方が、仕様への理解が深い事だってあります。

私もたまにベテランデバッガーに仕様を尋ねることがあるくらいです。

デバッガーは他の職種に比べて募集が多く、未経験者でも採用があるため、ゲーム業界へのチャレンジには悪くないものと思っています。

ゲーム会社ってどういう人がいるの?

ゲーム会社
ゲーム会社といっても最近のスマホゲームの盛り上がりに合わせて出来た会社や、もともとゲーム業界以外で活躍していた会社がゲーム業界に挑戦している会社のような、

いわゆるIT系のゲーム会社や、スマホゲームが生まれるより以前から、日本のゲーム業界を支え、日本のゲーム文化そのものを生み出してきた家庭用ゲームをメインに取り扱うゲーム会社など、さまざまです。

大きくこの2つに分かれ、働いてる人の雰囲気もそれぞれ異なると思います。

私が最初に入社したゲーム会社は、当時のPC向けオンラインゲーム運営の会社だったのですが、家庭用ゲームの会社から転職してきた方が上司には多く、IT系と家庭用ゲームメインの会社の人々が混在しているタイプの会社でした。

現在はIT系企業にてゲームプロデューサーをしているのですが、

経験から言わせてもらうと、働いている人の傾向はこんな感じです。

家庭用ゲームをメインに取り扱うゲーム会社

  • ゲーム通な人、こだわりが強いクリエイター気質の人が多い。
  • ゲームだけにとどまらずサブカルチャーへの知識が深い。
  • バンドマン(メタルとかパンクが多い)がいたりする。

IT系のゲーム会社

  • スマホゲーム好きが多い。いわゆるリア充な人もチラホラいる。
  • たまに兼業でモデルやってる人とかいてドキドキする。
  • 最近の社会一般のトレンドに詳しい人が多い。

どちらのタイプもそれぞれ特徴があり、面白い人がいます。

ゲーム業界へこれから挑戦したいと思っている人に何かしらの参考になればと思います。

最後に

ゲーム業界を志す人へ、

まず伝えたいことは、ゲームの仕事って楽しいよ!ということです。

もちろん苦労も多いですが、それ以上にやりがいもあります。

仲間と何かを作り上げる楽しみ、ユーザーと世界を共有する楽しみ。

それは表現のしようのないものです。

私はたまにチームメンバーへこう語ることがあります。

勇者のように冒険の旅には出かけられないし、オフィスという名のダンジョンに閉じ込められて、終わりの見えない戦いに身を投じることになるけれど…

ゲーム作りこそ、ゲームより面白いものだと。

経験が無いから、という理由で踏みとどまっているのは勿体ないです。

やりたいと思ったら、是非やりましょう!

ゲーム業界は広いようで狭い世界です。

一緒に、楽しいゲームを作れたらいいですね。

ゲームデバッグのアルバイトからキャリアをスタートし、CS、プランナー、ディレクター、プロデューサーを経験。現在はスマホゲームのプロデューサーをやっています。
ゲーム屋としての酸いも甘いも語ります。