東京のゲーム開発会社で5年ほど働いた私が話す「ゲーム業界」のリアルな雰囲気と仕事内容

ゲームの仕事「ゲーム業界」と聞いて、どんなイメージを持っていますか?

「何か楽しそう!」「仕事がゲームなんて羨ましい!」などポジティブなイメージ。

はたまた、「仕事が忙しそう」「デスマーチって実在するの?」など、ポジティブなイメージもネガティブなイメージも色々あるのではないでしょうか。

そんなゲーム業界の雰囲気や仕事内容を、東京のゲーム開発会社で5年ほど働いた私の経験からお伝えします。

既にゲーム業界で働いている方には今更な話かもしれませんが、今後ゲーム業界で仕事をしてみたい・ゲーム業界に興味があるという方は是非参考にしてみてください。

「ゲーム会社」と言っても仕事内容は色々ある!

ゲームの業種

ある業界で働きたいと思ったら、その業種を扱う会社に就職しますよね?

ただ、一口に「ゲーム業界」と言っても、業務内容は様々です。

1-1:デベロッパー

いわゆる「ゲームを開発している会社」です。一般的に「ゲーム会社」と言う場合、思い浮かべられることが多いのではないでしょうか。

その中でも、「開発しているゲームのタイプ」はまた色々で、スマートフォン用ゲームから家庭用ゲーム機のソフト、パソコンで遊ぶブラウザゲームなど、会社によってさまざまあります。

会社内にはプログラマー、デザイナー、プランナー等が所属し、一つのゲームの企画から開発までを行います。

私が所属していた会社はこのような「ゲームを開発する会社」で、主に家庭用ゲーム機のソフトや、Yahoo! Mobageなどのゲームプラットフォーム上で遊ぶことができるPCブラウザゲームを作っていました。

1-2:パブリッシャー

「パブリッシャー」とは、デベロッパが開発したゲームを販売・配信する会社です。

PCブラウザゲームなどオンライン上のものであれば、「プラットフォーム」と呼ばれる配信元のサービスを提供している会社のことも指します。

また家庭用ゲーム機であれば、デベロッパが開発したゲームを販売する会社でもあります。

日本で言えば、任天堂やスクウェア・エニックスなどが当てはまります。

1-3:その他専門の会社

ゲーム業界に存在するのはデベロッパーとパブリッシャーだけかといえば、そうではありません。

最近では業務が専門化され、その分野のスペシャリストが揃った会社も存在します。

例えば、デバッグを専門に行う会社、ゲームシナリオのライターが揃った会社、オンラインゲームの分析やマーケティングを行う会社など多岐にわたります。

自分のできること・やりたいことがしっかりと決まっているのであれば、このような専門の会社に入るのも一つの手です。

また大手のゲーム会社であれば、デベロッパー・パブリッシャー、さらにはシナリオライティングチームやゲーム分析チームまで、全てを兼ね備えているところもあります。

ゲーム業界に見られる主な職種

プログラマー

ゲーム会社には色々なタイプがあることはすでにお伝えしましたが、ゲーム業界に存在する職種も様々です。

最近では担当業務がどんどん細分化されているものの、主なところは次のような役割です。

1-1:プログラマー

家庭用ゲーム機からオンラインゲームに至るまで、ゲームの根幹部分を作ります。

ゲームの仕組み部分を作ったり、デザイナーが作った画面や演出を動かしたり、またオンラインゲームであれば、ゲームサーバーの開発やメンテナンスも行います。

1-2:デザイナー

ゲームのデザイナーというと、キャラクターを描く人を思い浮かべるかもしれません。もちろん、それもデザイナーの大切な仕事の一つです。

しかしゲームのデザイナーの仕事はキャラクター作成だけではありません。

ゲームをプレイする時、何気なく見ている画面がありますよね。例えば「ガチャを回す」「バトルをする」というようなメニュー画面や、プレイ中に出てくる背景やアイテムをデザインするデザイナーもいます。

ゲームをプレイする人にとって分かりやすく、しかしゲームの世界観を壊さないように一つ一つのデザインをしていくことが求められます。

1-3:プランナー

ゲームの企画を担当する職種です。

一口に「企画」といっても、新しいゲームをゼロから考える場合もあれば、既に動いているオンラインゲームに新しく追加する機能やイベントの内容を考案したりします。

プログラマーやデザイナーのように、何か目に見える形のものを作るというより、アイディアを出し、周りと協力して形にしていくという職種です。

1-4:運営

オンラインゲームにおいてゲームが正常に動いているかをチェックしたり、もしくはプレイしているユーザーの動向を分析したりというのがゲーム運営の主な仕事です。

また、オンラインゲーム黎明期にあった「ゲームマスター」のような見張り役も、ゲーム運営の仕事といえます。

1-4:デバッガー

家庭用ゲーム機、オンラインゲーム問わず、ゲームにバグがないかをチェックする仕事です。

企画・プログラム・デザインがしっかりしていても、開発すのはやはり人間ですから、どうしても小さなミスは起こりえます。

また最近のゲームはプログラムが複雑化していますから、新しいプログラム同士が悪さをした結果、それまで正常に動いていたところにバグが出る、というのもよくある話です。

それらを、プレイしてくれる人の前に届ける前にチェックをし、バグがない状態にもっていくというのがデバッガーの仕事です。同じ場面を何回もプレイしたり等、かなり根気がいる場合もありますが、ゲームを開発するうえでなくてはならない職種です。

1-8:プロデューサー・ディレクター

チームをまとめる業務を担当します。プロデューサーやディレクターはゲーム業界以外にも存在するため、耳にしたことも多いと思います。

私の経験ではありますが、私が所属していた開発会社では、ゲームのタイトル毎に1つのチームを組み、ディレクターはゲーム内容に関する全般管理を、プロデューサーは予算や他社とのやり取りなどを担当していました。

実際に私が見たゲーム業界の人達と雰囲気


スマートフォン用のゲーム開発を行っている大きな会社だと、いかにも「IT系」というようなおしゃれな人たちや、最先端のオフィス設備があるというところもあります。

プロデューサーになってからは他社オフィスにもかなり行きましたが、高層ビルの窓から東京の夜景が一望できたり、福利厚生で社内にバーやスポーツジムがあったり……と、驚かされたことも多々あります。

しかし私がいたのは、ゲーム業界としては創業からかなり経っている老舗の開発会社だったため、「最先端のオフィス」「常にMacbookとカフェラテを持ち歩いて打ち合わせ」というようなタイプの人はほぼ居ませんでした。

むしろ、「ゲームが好き」「面白いゲームを作りたい!」と言った人たちが多く、和気あいあいとした雰囲気のある会社でした。

スマホ向けの会社はリア充?!

私の経験上ですが、スマホ向けゲームで有名なデベロッパーやパブリッシャーは会社自体も六本木や渋谷など東京の一等地にあり、オフィス設備も最先端!というところが多かったように思います。

またそこで働いている人たちはおしゃれで、いわゆる「リア充」的な雰囲気を持っている確率が高かったです。とはいえ、全員がそうかと言えばそんなことはありませんが。

とはいえ、ゲーム業界のドレスコードは他業種に比べて緩いのか、毎日スーツで出勤する人はほぼいません。

他社との打ち合わせでも、ジャケットを羽織っていれば「今日はきちんとした格好をしているね」と言われるほど。

それぞれの会社の規定にもよりますが、時には金髪や青い髪の人がいるなど、自由な雰囲気が漂っています。

やっぱりみんなゲームが大好き!

しかしどんな会社においても、ゲームが好きで、いいゲームを作りたいという人たちの集まりですから、ゲームに関する熱量は非常に高いといえます。

「ゲームが好き」という気持ちがあれば受け入れてくれる。ゲーム業界はそんな門戸の広さがあるように思います。

経験者から見る、ゲーム業界で働く3つのメリット・デメリット


私は東京のゲーム会社で5年ほど働いていました。

まずはオンラインゲームの運営担当として入社し、その後プランナー、ディレクター、プロデューサーと担当業務が変わりました。

仕事を通して自社と他社の雰囲気を肌で学んだり、またゲーム業界で働くということに関して、わずか5年ほどですが色々と感じたことがあります。

・ゲーム業界で働く3つのメリット

「ゲームが好き」という気持ちがゲーム業界に入るうえで非常に大切ですが、実際にゲーム業界で働くにはどういうメリット・デメリットがあるのでしょうか。

1:ゲームを深く理解できるようになる

やはり、普通にプレイしているだけでは味わえない開発現場の空気を肌で感じられることが大きいでしょう。

今自分が遊んでいるゲームの裏側で何が起きているか、このゲームにはどのような思いが込められているかということを、実際に働いてみることで実感できるようになります。

2:ゲームの最新情報に触れられる

自分が働いている業界の勉強をすることは当然と言えば当然ですが、取り入れる情報といえば、最新のゲーム情報ばかり。

いち早く最新ゲームの動向を知ることができるというのは、ゲーム業界で働く醍醐味かもしれません。

また、ゲーム業界の大きな展示会を言えば、秋に行われる東京ゲームショウですよね。通常行くことができる一般デーは物凄い人込みですが、関係者向けのビジネスデーは一般開放日と比べて随分ゆったりと見て回ることもできます。

加えて、今やゲームは世界規模のビジネスですから、会社によってはロサンゼルスで開かれるE3などの海外ビジネスショウに行くことができるかもしれません。

3:遊ぶ側ではなく、「作る側」になれる

ゲーム業界で働いて何よりも達成感を得られるのは、自分が関わったゲームが世にでることではないでしょうか。

ゼロからゲームを作らずとも、例えば自分が出したアイディアが新機能としてゲームに組み込まれ、それを遊んだユーザーが感想をSNSに書き込み、バグがあれば修正をかけ、要望は吸収して実装し……という連鎖がハイスピードで行われる毎日は、刺激にあふれています。

どのような形であれ、大好きなゲームという物に関わり、「このゲーム、私が作った」と言えることが、ゲーム業界で働くメリットではないかと思います。

ゲーム業界で働く3つのデメリット

対して、ゲーム業界で働くデメリットには何があるでしょうか。

1:体力は必要!

忙しい時期があるというのはどんな業界でも当然かと思います。ゲーム業界も例外ではありません。

一つのゲームを作るまでには、「α版」「β版」といったテスト版を作る必要があります。それらのテスト版の納期前、また製品としての最終版アップ前は、いわゆる「デスマーチ」といわれるようなハードワークが起こることも。

また、ゲームをリリースした後も定期的にアップデートを行うオンライン型のゲームでは、アップデートに併せて定期的に忙しい時期がやってきます。

私が担当していたPCブラウザゲームは毎週木曜日にアップデートのためのメンテナンスを行っていたため、毎週の山場が週の半ばに訪れるという状況でした。

しかしその忙しいタイミングを、バグなどの問題なしに乗り切れた時の達成感は言葉にできないほどです。

2:オンラインゲームの場合、24時間365日サービスは続いている!

オンラインゲームの場合、予告されたメンテナンス等以外、常に遊ぶことができますよね?ということは、常に何が起こるか分からないという状況でもあります。

たとえ真夜中だろうと、年末年始であろうと、不具合が起きるときはあります。そういった場合、いち早く遊んでくれている人向けへのお知らせを出し、問題点を修正するという対応が求められます。

オンラインゲームの場合は、ゲームを作るだけでなく、作った後に安定してユーザーが遊べているかを見るのも非常に大切です。そのため、私の場合ですが、休みの時であっても、何か問題が起きていないかと少しだけTwitterなどで情報収集をするという癖をつけていました。

3:時にはユーザーの声がグサッと刺さる!

オンラインゲームの場合、ゲームは作って終わりではありません。

サービスを開始した後も、定期的なメンテナンスや不具合の修正、また新機能の実装がついて回ります。

例えば不具合が起きた場合、TwitterなどのSNSが荒れるというのはよく見られますよね。

緊急でメンテナンスを入れれば、「運営何やってるんだ」「詫び石よこせ」などが続々と書き込まれることもしばしば。

またTwitterに限らずとも、ユーザーサポートにお問い合わせが続々と届くこともあります。

バグがあるという場合は、運営側のミスであるため真摯に受け止め、早急な解決のために動きますが、それよりも堪えるのは、自分の考えたアイディアが酷評されること。

企画から考え、自信をもって実装した新機能に関する評判が非常に悪い時、やはり人間ですから落ち込むことはあります。

しかし、ゲームを作って運営しているプロとして、落ち込んでいるだけでは済みません。

ユーザーの声は自分に対する個人攻撃ではないと気持ちを切り替え、「なぜダメなのか」「遊びづらい点があるのか」を冷静に考えます。

時に厳しいユーザーの声ですが、ゲームをもっとよくするための愛の鞭と考え、改良の手がかりにすることが大切です。

そして、改善した内容がユーザーに受け入れられた時の喜びはひとしおです。

まとめ

「ゲーム業界で働いている」というと、「楽しそうだね」と言われることはよくありました。

確かに人を楽しませるためのゲームを作っているのですから、まず自分が楽しまなければなりません。

ただ、やはり仕事ですから大変なことも多々あります。

「ゲーム業界で働きたいけれど、仕事がきつそう」と、イメージで思っているかもしれません。

しかし、昨今叫ばれている働き方改革のおかげか、例えば遠方から働くリモートワークなど、これまでのゲーム業界には存在していなかった働き方も続々と生まれています。

ただでさえ流れが早いゲーム業界なので、今後数年のうちに働き方も含めて何もかもガラっと変わってしまう可能性もあります。

しかし、「ゲームが好き」「ゲームを作りたい」という気持ちがあれば、どんなにゲーム業界が変わっていこうと、仕事をすることができると思います。

一番シンプルで、時に見失ってしまいそうになる「ゲームが好き」という気持ちが、仕事をするうえで一番のモチベーションになることは間違いありません。

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ゲーム業界で5年ほど働き、運営・プランナー・ディレクター・プロデューサーを担当しました。
その時の経験をもとに、ゲームはいいぞ、ゲーム業界楽しいぞ!という記事を書いていきます。

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