【EVO Japan 2018】『ストV AE』決勝戦の模様とInfiltration選手合同インタビュー
あまりにも緊張していた筆者は、会場に行く前にトイレでひと吐き(?)してから、万全な体制で足を運びました。
今回、筆者が取材に行ったタイトルは、『ストリートファイターV アーケードエディション』の決勝戦です。
『ストリートファイターV アーケードエディション』は、2000人を越える選手が出場した大トーナメントでした。
その上位8名による決勝戦を直接!生で!見れるわけですから、興奮して当たり前です!吐いて当たり前です!
EVO Japan 2018 決勝戦の会場「AKIBA_SQUARE」について
EVO Japan 2018 決勝戦は、秋葉原の「AKIBA_SQUARE」という会場で行われました。
会場の概要
JR秋葉原駅電気街口の駅前広場から歩行者デッキで直結されているUDXビルの2階にアキバ・スクエアはあります。
広さは屋内スペース1,010㎡、屋外スペース280㎡、合計1,290㎡の広さを誇り都心の一等地に位置しております。
カフェ&レストラン街及び9,000人の就業者を擁するUDXビルのオフィスフロアとの結節点に位置する高ポテンシャルなイベントスペースです。引用元: AKIBA_SQUARE
アキバならではのイベント内容も
AKIBA_SQUAREは、会社合同説明会なども行われていますが、下記のようなアキバならではのイベントも行われています。
- 同人誌即売会
- 放送、映像関連の最新機器・サービスを紹介する展示会
- TCG(トレーディングカード)大会
会場の場所
EVO Japan 2018の決勝戦会場の雰囲気
会場の外から見える天井が、すでに超お洒落!
筆者は、東京メトロ 日比谷線秋葉原駅から歩いて会場に向かいました。
方向音痴なので、ナビに頼りながらも迷って大変だったのですが・・・。
しばらく歩いていると、外国人とのエンカウント率が上がり、見覚えのあるプロゲーマーチームのTシャツを着ている人がちらほら。
これは確実に会場へ近づいていると確信して、人の流れに沿って行くと、無事に会場へ到着。
会場でも外国人がとても多く、大変賑わっていました。
日本でEVOが行われることにたいして、世界がどれだけ日本のeスポーツに注目しているかが分かりますね。
格闘ゲームキャラクターのコスプレイヤーさんの姿や、レッドブルを片手に格闘ゲームトークが聞こえてきたりなど。
EVO Japanの会場に、足を踏み入れたのだと改めて実感しました。
メディア受付で登録して、いざ会場内へ!
メディアとして、スイッチを切り替えて入場!
埋め尽くされる観客席にも圧倒されました。
普段聞くことのない大歓声。
様々な言語が飛び交う会場。
これがEVO Japanなのか!と、大規模格闘ゲーム大会を初めて目の当たりにした筆者は、会場の雰囲気に感動を覚えました。
まさかのサプライズ発表で会場も大歓声!
決勝トーナメント開始前には、カプコンの綾野氏と桜井氏が登場しました。
『ストリートファイターV アーケードエディション』の新機能紹介があり、まさかのサプライズ発表が!
それは、3日間でシリーズ最高となる、全世界出荷本数500万本達成した…『モンスターハンター:ワールド』とのコラボです!
会場の大型モニターで、この映像が流れた時の驚きの声とざわつきは、会場全体が揺れるくらいすごかったです。
『ストリートファイターV アーケードエディション』と『MONSTER HUNTER: WORLD』のコラボ内容
『ストリートファイターV アーケードエディション』
チャレンジをクリアすることによって、「R.ミカのジンオウX装備」「ケンのレウス装備」「いぶきのキリン装備」など、モンハンのコスチュームを着て対戦ができます。
まさかレウス装備を着て格闘ができる日が来るなんて・・・。
『MONSTER HUNTER: WORLD』
チャレンジクエストを受けることによって、ワンセット防具「リュウシリーズ」の素材を手に入れることができます。
ワンセット防具「リュウシリーズ」は、装備すると見た目やボイスまで変わるという『ストリートファイターV』のリュウそのままになる特殊な防具です。
さらに、有料DLCとして追加ジェスチャー「波動拳」「昇竜拳」も配信されることも決まりました。

モンハンの世界で波動拳が打てる日が来るとは・・・。
緊迫した試合前に起きた、会場が大爆笑した出来事
筆者は勝手に、試合前は選手同士緊張感が漂って、ピリピリしているものだと思っていました。
しかし、ピリピリしているという予想とは逆に、試合前の選手たちは比較的リラックスしており、ストレッチをしたり、レッドブルを飲んで一息ついたりなどしていました。
目を閉じてイメージトレーニングをしているのかな?という選手もいました。
さらに、それを象徴するような、思わず笑ってしまう出来事がありました。
ウメハラ選手と板橋ザンギエフ選手の試合前の出来事です。
板橋ザンギエフ選手が、試合前にウメハラ選手と握手をしようと手をだしました。
その時、ちょうどウメハラ選手はレッドブルを手に持っていて
「え?これ欲しいの?」
っと一瞬、板橋ザンギエフ選手がレッドブルを欲しがっているのかとウメハラ選手が勘違いした様子があり、会場が爆笑に包まれました。
そのあと、きちんと握手を交わしていました。
『ストリートファイターV アーケードエディション』白熱した試合
今回の試合は、敗者復活有りの※ダブルイリミネーション形式です。
各対戦組み合わせは、2試合先取で勝敗を決するルールとなっています。
決勝トーナメントのルーザーズトーナメント(敗者サイド)では、ウメハラ選手が快進撃を見せてくれました!
板橋ザンギエフ選手(ザンギエフ)と、ときど選手(豪鬼)を相手に、ガイルのバトルスタイルで勝利。
会場から大きな歓声と拍手が飛び交っていました。
※1度負けたらそこで敗退となるシングルイリミネーション方式と違い、2敗した時点で敗退となる方式。
通常のシングルイリミネーショントーナメントを行い決勝進出者を決め(勝者サイド)、それと同時に1敗した者同士の間でもシングルイリミネーショントーナメントを行い決勝進出者を決める(敗者サイド)。この2者で決勝戦を行い優勝者を決定する。完全ダブルイリミネーションの場合、決勝戦で敗者サイドを勝ち上がった者が勝った場合、決勝の再戦を行う。将棋の棋王戦が「挑戦者決定戦で勝者側は1勝でよいが敗者側は2勝必要」という方式を採用している。
予選等で勝者サイド・敗者サイド共に次ラウンドに進める場合、決勝戦で敗者サイドを勝ち上がった者が勝った場合でもそのまま優勝者とみなされる場合や、決勝戦は行わずに勝者サイドを勝ち上がった者を1位、敗者サイドを勝ち上がった者を2位とする場合もある。
ウメハラ選手のすごいところは、ポーカーフェイスなところで、ピンチな場面でも表情一つ変えることがありませんでした。
勝った時も表情を変えることなく落ち着いていて、レジェンドのオーラが漂っているように見えました。
2000人から勝ち上がった3人の選手
TOP3に勝ち上がったのは、ウィナーズのINFILTRATION選手とJohon Takeuchi選手、ルーザーズのウメハラ選手の3人です。
ウィナーズファイナル(勝者サイド) Johon選手vs INFILTRATION選手
序盤、少しJohon選手がINFILTRATION選手に押されていたのですが、落ち着いたプレイで勝利を手にしました!
会場でもJohon選手への声援が飛び交っていました。
「よく耐えた!」
「流石だよ!」
など、Johon選手に対する声援は試合ごとに増していきました。
後半は、Johon選手の落ち着いたプレイで、体力ゲージが残り数ミリという状況でもあきらめずに果敢に攻めた結果、Johon選手が見事勝利をおさめました!
ルーザーズファイナル(敗者サイド) Infiltration選手vs ウメハラ選手
ウィナーズファイナルの試合を引きずることなく、Infiltration選手のメナトが危なげなくウメハラ選手のガイルに3連勝を達成しました!
INFILTRATION選手の勝利となり、グランドファイナルのリングへと進みます。
グランドファイナル(決勝戦) Johon選手vs Infiltration選手
誰が予想したでしょうか。
Johon選手とINFILTRATION選手が、再びグランドファイナルで戦うことになることを!
序盤は激しい戦いの中での攻防となりましたが、ラウンドを経るごとに、次第にJohon選手のペースになっていきました。
慎重な戦いを見せて、Infiltration選手が3試合を先勝してリセットに成功しました。
リセット後も引き続き、Infiltration選手が押している状態に。
Johon選手も最後まで攻めた戦いを見せてくれたのですが、結果、試合カウント3-1でINFILTRATION選手が勝利。
『ストリートファイターV アーケードエディション』の試合結果
韓国のInfiltration選手が優勝しました!
INFILTRATION選手とJohon選手の決勝戦は、どちらが勝ってもおかしくないギリギリまで目の離せない試合でした。
一撃が入るたびに、大歓声が会場内に響き渡りました。
格闘ゲームファンの集まりだから起こる、会場の一体感が生まれました。
しかし、全員が全員、格闘ゲームが好きで来ているわけでもありませんでした。
例えば、カップルで観戦に来ている観客もいて、彼女さんがeスポーツのことをよくわかっておらず、彼氏さんに聞きながら試合を見ている光景がありました。
eスポーツを知らなかった彼女さんは、決勝戦では大声で応援しており、最後には号泣する場面に筆者は遭遇しました。
その光景を見て、eスポーツは万人に感動を与えることができるスポーツなんだと確信しました。
試合結果
2000人を越える選手から勝ち残った、8人の選手の試合結果です。
成績 | 選手名 |
---|---|
優勝 | Infiltration選手 |
準優勝 | Johon Takeuchi選手 |
3位 | Twitch/HX/CYG/BST Daigo(ウメハラ選手)選手 |
4位 | EchoFox Tokido選手 |
5位 | Humanbomb選手 |
5位 | GRPT/MOV選手 |
7位 | Atlas Bear/stormKUBO選手 |
7位 | DNG 板橋ザンギエフ選手 |
Infiltration選手優勝後のインタビュー
インタビューは決勝直後に行われたメディア合同インタビューです。
——優勝おめでとうございます。今の気持ちをお聞かせください。
Infiltration選手:
ありがとうございます。今回は絶対に優勝しないだろうと思っていたんですが、それを裏切るような結果になって、ほんとうに嬉しく思っています。
——優勝するまで、一番印象に残っているのは、どの試合だったでしょうか。
Infiltration選手:
Loser’sでときど選手とウメハラ選手を見て、最近のストリートファイターでは結構格闘系を使う技が多いと思うのですが、まるでストリートファイターシリーズの伝統を見たかのような、昔のストリートファイターのように弾打ち勝負が印象深かったですね。そして自分が戦った中では、最後まで優勝を争った竹内ジョン選手が若い感じでグイグイとくるのが、とても印象深かったです。
——今回は日本で開催される初めてのEVOだったわけですが、参加してみていかがでしたか。
Infiltration選手:
アジアでは初めて行われたEVOなんですが、これまでEVOは韓国から遠い場所で行われることが多くて、気軽に参加するのは難しい側面がありました。それが今回、EVO Japanとして日本で行われたので、知り合いの方々も来てくれたりなど、これまでよりも気軽に、また試合に臨むにあたって、万全に準備を整えて参加できました。今回の優勝に繋がったんじゃないかなと思っています。
——本家EVOと比べると、今回のEVO Japanはどんな違いがあったでしょうか。
Infiltration選手:
今まで参加してきたラスベガスのEVOと比べると、まず季節が違うのが大きいですね。EVO Japanは冬に行われたので、外は寒い半面、会場はとても暑くて、戸惑うことがありました。それと日本での開催なので、スタッフももちろん日本語で対応するわけですが、海外の選手の中には日本語が分からない人が少なくありません。ですので、英語がしゃべれるスタッフが増えたら良いなと感じました。
もちろん、初開催であれば足りないところは出てくるものなので、それも含めて次を考えていけば、今後もっと良い大会になると思います。
——決勝トーナメントでは、8名のうち6名が日本人選手でした。その中からライバルを一人挙げるとすると、誰になるでしょうか。
Infiltration選手:
皆さんとても個性が強くて手強い相手なので、一人を選択するのは難しいですけれども。今回感じたのは、若い方にも素晴らしい選手がたくさんいるということです。彼らは今後、さらに手強い相手になってくることでしょう。自分もそうした日本の選手を見習いながら、精進していこうと感じました。
——今後は、韓国からも若手の強豪選手が現れる可能性はありますか。
Infiltration選手:
韓国はコンソールゲームも人気ではありますが、PCゲームのほうが大きいので、格闘ゲーマーがなかなか育ちにくい環境にあります。一方日本には、大きな企業がスポンサードする今回のような大会がありますし、それに比べると韓国はまだそういった部分が足りないので、本当に実力のある選手が大会に出場することができないのが現状です。今後、韓国でもそうした部分に力を入れられるなら、新しい才能が出てくるのではないかと思います。
——ありがとうございました。
瞬獄殺で逆転KOを捉えた動画
個人的に、EVO Japan 2018で最高に興奮した場面です。
Top8ルーザーズ「ときど選手 vs ストーム久保選手」より。
完全に追い込まれたときど選手。
豪鬼を使用していた「ときど選手」は、振り向き昇龍拳で切り返すと、最後は瞬獄殺で逆転KO。
手がぷるぷるしてしまっていて、綺麗に動画が撮れておりません・・・あしからず。
まとめ
EVO Japanという試合に実際に足を運んで感じたことは、「これはスポーツだ」という感情でした。
技が決まって勝った瞬間の観客同士での歓声は、会場にいないと熱量は伝わらないと思います。
サッカーの試合でも、テレビで見る試合も興奮しますが、スタジオで観戦すると全く違う感動を体感できます。
その感動は実際に行った人にしか伝わりませんが、映像越しでもプロとプロの試合は普段見ることのできない、別格の試合を見ることができます。
素人なら完全に諦めるような状況でも、プロゲーマーの表情を見ていると、一切「自分が負けるかもしれない」という顔をしておらず、勝ちにいっています。
そこで逆転するというドラマを生み出してしまうのだから、格闘ゲームの奥の深さを目の当たりした筆者は、eスポーツの虜になりました。

生後3カ月からゲームに目覚めた生粋のゲーマーです!
ジャンルは幅広く遊んでいるので浅く広くという感じです。
楽しく熱意の伝わるゲーム記事を書いていきたいと思います!
ディスカッション
コメント一覧
こういった大会で上級者の戦いが観れると、ゲームを知らない人でも夢中になれるという良い効果を持ってますね。もっと全国で色んな大会が開催されると良いですね、
大会自体も無事に終わって良かったです。
日本でもっとeスポーツがメジャーになる為にも、色々な場所で大会をやってほしいですね!